「職場の活性化」「組織風土作り」の方法(5つのキーワード)
職場の活性化や良い組織風土を作るために必要なのは…?
職場の活性化や良い組織風土を作るために必要なことは、何だろうか…
それは次の5つのキーワードで言い表せるでしょう。
* 健康
* 感謝
* 承認
* 尊重
1つ1つのキーワードについて考えていきましょう。
信頼
信頼は、一日にして成らず
私たちは、信頼がとても大切であることを知っています。
信頼関係があれば、安心だし、協力もしやすい。
だから「信頼できる人に出会いたいし、自分も信頼されたい…」
こう思うのではないでしょうか。
しかし、現実的には信頼というものは自分から求めても相手が信頼してくれるとは限りません。
なぜなら、相手があなたのことを「この人は信頼できる」と感じるか否かは、相手が決めることだからです。
そして、信頼を得るには時間がかかるけれど、失うのは一瞬で失うことがあるとても難しいものだともいえるのです。
こういうことから考えると
信頼を職場に根付かせるには、「信頼は、一日にして成らず」ということをしっかりと認識することから始まるといえるのです。
そして、言い古された言葉ですが、「自分がさせて嫌なことをしない。そして、されたら嬉しいことをし続ける」ということなのだと思います。
良いことを習慣化する
さらに付け加えるなら、ここで重要なのは、「されたら嬉しいことをする」ではなく、「し続ける」ということなのだと思います。
例えば
・挨拶をし続ける
・笑顔でい続ける
・メールの返信は、必ずし続ける
・相手の話を、いつもきちんと聴く ・・・・etc.
そんなに難しいことでなくていいのです。
当たり前のことを自分自身の気分や感情に左右されることなくし続ける。
つまり、習慣化 するのです。
このことが、信頼を築く第一歩だといえるでしょう。
そして、この習慣を職場に根付かせ信頼関係のある職場を築き上げていくためには、「まずリーダーが、それをし続けること」
これが肝要なのだということを忘れてはならないでしょう。
健康
健康管理も仕事のうち
私が、その昔新入社員の研修を担当していた時、研修の最初で必ず新入社員に伝えていたことがあります。
それは、「健康管理も仕事のうち」ということです。
体が資本とはよくいったもので、心身ともに健康であれば、気力も体力も湧いてきて、新しい仕事や困難な仕事に出会ってもチャレンジし、経験やスキルを高め、仕事ができる人といわれるようになる確率が高まりますが、どこかに不調を抱えているとそうしたことも難しくなってきます。
また、心身ともに健康である人のほうが、仕事の生産性も高まり早くて良い仕事をするはずです
このことに意義を唱える人は、そういないでしょう。
健康は個人だけの問題ではない、経営の問題でもある
一人の社員の体調不良は 、職場ではその人だけ収まらず周りの同僚にも影響します。
・休めば誰かがその人の仕事を代わりにする必要がある
・仕事のミスが増え、誰かがフォローしなければならない
・体調の悪い人がいると気をつかう
・不機嫌が伝染する ・・・ etc.
このように、不健康は、職場を活性化させていくうえでは弊害となることが多いのです。
だから、健康とは、職場の一人一人が健康管理に気をつけ、自分自身の健康維持増進に努めることはもちろんのこと、他人を不健康にしないように職場全体が高い意識を持つことが肝要であるといえます。
具体的には、次のようなことがあげられるでしょう。
・長時間労働をしない、させない
・ハラスメントとなるような言動を許さない
・健康診断をきちんと受ける、受けさせる
・互いに相手を大切にし、協力し合う「お互いさま」「おかげさま」の気持ちを職場内に拡げる ・・・etc.
こうしたことの積み重ねにより、職場の皆が心身ともに健康であること
このことが、職場の士気を高め、生き活きとした職場環境を育み、仕事の生産性や質が高まり、会社の成長に繋がるということは、間違いなくあるはずです。
まさに「健康第一」
健康は、個人だけの問題ではなく、「職場」いや「経営」にとっても大切なことなのです。
感謝
感謝していますか?
感謝
言うまでもなく、助けてもらったり、何かをしてもらったり、何かをもらったりした・・・時に、「ありがたい」とか「おかげさまで」と感じる気持ちのことです。
さて、それでは皆さん、この感謝の気持ち、どれくらい職場で感じているでしょうか?
また、口に出して相手に伝えているでしょうか?
いかがでしょうか?
意外と少なくないですか?
こと仕事となると、何故か何かをしてもらった場合でも「それは仕事だから」ということで、感謝する気持ちがおきにくくなるのかもしれません。特に上司から部下に指示や依頼という形になればなるほど・・・
確かに「仕事だから」それをするのは当たり前という考え方があることもわかります。
でも、それだとあまりにも無機質で、味気なくないでしょうか。
仕事だからこそ、感謝する。そして、ちゃんと伝える
仕事するのは、人と人なのです。
それをふまえ、人の心というものを忘れないようにすれば、「仕事だから」ではなく、「仕事だからこそ」・・・してくれて「ありがとう」という気持ちを持てるのではないでしょうか。
また、感謝というものは、あくまでも自分自身が感じる気持ちですから、黙っていても相手には伝わらない。
つまり、「ありがとう」と口に出して相手に伝える必要があるということも忘れてはならない重要なポイントです。
だから、口に出す、もしくはメールででも、はっきりと「ありがとう」と相手に伝えるようにしましょう。
そして、想像してみてください。
こうした感謝の気持ちが、表に出て飛び交っている職場を・・・
どうでしょうか?それだけで活性化された素晴しい職場風土であることが感じられないでしょうか。
承認
承認欲求:マズローの5段階欲求
私たち人間は、「誰かに認められたい」「必要とされたい」という承認欲求というものを持っています。
有名なマズローの5段階欲求にも4段階目の欲求として出てきます。
マズローは、この説の中で「人間は、低段階の欲求がある程度満たされると、その上の段階の欲求が生じてくる」と唱えていますので、4段階目の欲求ということは、承認欲求はある程度人間として高いレベルの欲求に入るといえます。
違う表現で説明すると、1~2段階目の欲求が「生理的欲求」「安全欲求」という物質的な欲求で、3~5段階目が「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」という精神的な欲求とされていますので、3段階目以降の欲求が、仕事に取組むうえで求められるものといえるのだと考えてよいでしょう。
また、5段階目の「自己実現欲求」は、別名「成長欲求」といわれていることも重要なポイントです。
会社や組織が業績をあげ発展していくには、そこに属する働く人たちの成長が不可欠であることは、改めて説明するまでもないでしょう。
そして、マズローの5段階欲求においてもう1つ重要なポイントは、先に述べた「人間は、低段階の欲求がある程度満たされると、その上の段階の欲求が生じてくる」という点です。
ダメなところばかり指摘していると…
つまり、職場で働く人たちが、仕事を通じて成長しようと思い、その努力を惜しまず自ら行動するためには、その人たちの「承認欲求」を満たしてやることが必要なのです。
よく・・・できていないことや失敗ばかりを指摘したり、改善と称して教育に力を入れているが、なかなか改善が進まないという組織や職場があります。
これは、マズローの5段階欲求の観点から見れば、そうなって当然といえるのです。
なぜなら、ダメなところばかり指摘し改善を求められていて、できていることや役に立っていることを、会社や上司から認められていないということになるのですから…承認欲求が満たされていないということになるのです。
そのような状況で、「改善しできるようになりたい」という成長欲求が生じるはずがないのです。
そして、さらに恐ろしいのは、このような状況がエスカレートし、その集団に属していてよいのかという不安が生じてきた社員が出てきてしまうと、3段階目の「社会的欲求」ですら満たされなくなってきているという可能性が出てくるということです。
よく労務対応をしていると、「今までできていたのにできなくなった。どうしたんだ」というケースがあるのですが、よくよく話を聞いて調べてみるとミスやできないことばかりを上司が指摘ばかりしているとことが多かったりします。
だから、職場では、できていないことばかり指摘するのではなく、できていることや役に立ったことを認め伝える。このことが重要なのです。
そして、この認め伝えるということには、上述した「感謝すること」も含まれるのです。
つまり、感謝は、相手を承認することの1つの形であるといえるので、承認していることを伝えるのが難しく感じる場合は、「ありがとう」「助かった」という感謝の言葉を使うのがいい方法です。
ぜひお試しください。
尊重
人権の基本は、等しく尊い
「人間は平等である」という話は、子供の頃からみんな教わってきたことです。
しかし、学校や会社で集団生活をし始めると、上下関係や力関係が生まれ、その秩序の中で行動していくことが求められるようになります。
そうすると「上」とか「下」とかという区分ができ、「上は偉い」「下の分際」という意識が生じてきてしまう。
これは、ある意味仕方のないことなのだと思いますが、本当にそうなのでしょうか。
少し固い話になってしまいますが、ハラスメント、解雇、過労死、いじめ…等 職場で大きな労務トラブルが生じた場合は、人権の問題にかかわっていることが多いのです。
人権とは「私たちが等しく有する幸せに生きるための権利」です。
これを侵してしまう理由の1つとして、組織や職場における上下関係や力関係を、自分は「偉い」とか「力を持っている」と勘違いすることがあげられるのではないでしょうか。
上司と部下は役割
組織や職場をまとめていくうえで上司(管理職)と部下(社員)という関係は必要でしょう。
しかし、それは上司が偉いというわけではないということを私たち、特に管理職はきちんと認識すべきでしょう。
では、上司と部下はという関係は何なのか・・・
それは「役割」だと考えると良いと思います。
それだと管理職や幹部になる意味がないと思う人がいるかもしれません。
でも、考えてみてください。
管理職になれば、それなりにお給料もあがるでしょう。自分の裁量で動かせる仕事の規模や権限も大きくなるでしょう。
それはそれですごいことじゃないですか。それ以上何を望むのでしょうか。
仕事は、地位や名誉があれば、一人で何でもできるというわけではありません。
誰か・・・つまり部下の皆さんが「この人のためならば」と仕事を分担し、役割を果たしてくれなければ仕事の成果はでないでしょう。
権力に任せ部下たちを強引に動かしても、一時的には成果が出るかもしれませんが、継続的に成果を出し、成長していくことは難しいでしょう。
継続的に成果を出し、成長していくためには、部下一人一人が人として大切され、圧力や恐怖で支配されない職場環境であることが必要なのではないでしょうか。
だから、管理職は「自分が偉い」とか「権力を持っている」と勘違いせず、「より人のことを尊重する」という気持ちを意識して持つようにするべきなのです。
そして、そういう勘違いをしない管理職ほど部下たちから「偉い人」と尊敬を集めることになるといえるでしょう。
いかがでしょうか。
このように
「信頼」「健康」「感謝」「承認」「尊重」が大切なこと
少しはご理解頂けたでしょうか。
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